※案内※
こちらのssは、とうわさんちにある「本懐遂げない漫画」の中落ち丼です
未だの方は是非先に → a little more(わーくす内bsb部屋)











-------







 ノープリーズ











 え、ちょっとマジで?マジですんの?
 「痛かったら即やめな?」なんて云ったのはそりゃオマエ俺が痛いに決まってんだから最初から止めとこうぜってことだったんだけど言い方が悪かったのかやっぱりわかってもらえてなくて「オイまじかよ止めろよ」とか云ってるあいだもコイツの手は俺の体をまさぐっちゃってて、ホントどうしちゃったのコイツ?

「毛が口に入んだよ」
「だったら切りゃいいじゃん」
「しばれない長さはよけいにあっちィだろ」
「だったらもっと短くさぁ」

 そんな話をしてたのは何日か前、あんまり暑い日だったもんであちぃしだりィしみんな帰り道でもあっちィあっちぃうるせーしだからか知らないけど毛の話してたはずがいつのまにか下の毛の話になってるし「舐めてる途中でアソコの毛が口に入ってみろよオマエ最悪だぜ」って俺は云ったんだけど「入ってもいいから舐めてみてーんだよぉ!」ってコイツがデカい声で叫びやがるもんだから前を歩いてた女どもにコソコソ指差されて「チクショー女どもが!いつかぜってー犯してやる」とか云ってたくせにオマエ今キスしてるのは俺、オトコだぞ。わかってんのか?

「バカかおまえ。キスとかすんな。止めろ」
「いいじゃん」
「いくねぇよ」
「オレにもキスさしてよ」

 いいじゃんって意味わかんねぇよって、オレにもさしてよって意味わかんねぇよって、あ、でもちょっと待てよ、わかるなんかわかる気がするけどえーっとそういうのってなんつうんだっけ?って考えてたらいつの間にかじーっと俺の顔見てやがるもんだからやっぱぜんぜんわかんなくなるし急にすっげー恥ずかしくなるしで思わず目を逸らしたら後ろ頭引っ掴まれてまたキス、された。外も中もぐっちゅぐちゅに舐め回されて息は苦しいしそれでも歯とかガツガツ当たるから痛ぇわヘタクソだわ俺もだんだん腹立ってきて噛みつき返したりしたもんだからいつのまにか舌と舌絡ませてすっげぇディープキスになっちゃってて結局なんかもう、どうでもよくなった。

 第一、ケンカは目ェ逸らした時点で負けってんだからテメェに腹が立つぜ。

 で、たぶん、というか絶対コイツってばヤり方とかわかってないからシャツの下に手つっこんだまま俺の腹筋とか胸のあたりを撫で回しててそれでも俺は水ン中で鍛えてるから霜降りで柔らけぇだろお肌だってそこいらの女よりツルツルだぜーって心の中で思ってたらコイツが「ほっさんすげー女みてぇやらかくて、きもちぃ」って首に顔すり寄せながら云うから「だろー?」って云ってやりたかったけど、ごめん、俺やっぱオンナよりは固ェんだわ。そんなことされてるあいだ耳元でずっと名前呼ばれてていちいち返事すんのもアホらしいから黙ってたんだけどそしたら余計にだんだんコイツの体が熱くなってきてんのがわかっちゃって、あーやべぇコイツ興奮しちゃってるよって

 引き剥がしてもよかったんだよ。

 でも耳元でずっとずっと名前呼ばれてていちいち返事するのもアホらしいから黙ってたらそのうちコイツも黙りこんじゃってもしかしてってそんなはずはまずないんだけど本気で欲しがってくれてんのに黙られちゃあ辛いよなぁって思ったらなんか泣きそうになってきて、でも俺が泣いても変だし、かといって黙ってても仕方ないから、云った。

 舐めてやろうか って。

「まじで!?ホントに舐めてくれんの!?!」

 心底うれしそーな顔しやがってやっぱムードもへったくれも無いんだわコイツ。
 けどさっきこの部屋来てから亮ちん笑ってねーなぁって思ってたからまぁそれはそれで結果オーライ、いそいそとパンツ脱いでるヤツ見てビミョーな気持ちにならなかったっつったらウソになるけどもう云っちまったことだしオトコに二言は無ェし目の前に突き出されたナニが思ってたよりすげーご立派でちょっとビビったってのもあって結局俺はそれを口に、入れた。

 はぁとかうぁぁとかオマエそれはちょっと素ぅ過ぎなんじゃね?って思うような声漏らしててでもまぁ別に俺も男だしいっかって思って黙ってしゃぶってたらまた髪つかまれて喉の奥まで突っ込まれたあげく無理矢理上向かされたもんだからひどくむせた。人がゲェッホゲッホいってるのにぐいぐい腰振りやがってコノヤローあとで覚えとけって思いながらもなんとか薄目開けて亮ちんの顔見たらなんかもう目とか軽くイっちゃっててあーやべぇコイツスイッチ入っちゃってるよって

「なぁほっさん・・・オレ、これ、すげー興奮する」

 あーそうねはいはいどっかのDVDで見たよねコレね涙目になってる女の髪つかんでオラオラちゃんとしゃぶりやがれってねー ってコラァァァ!!ってノリツッコミする暇もないまま俺はベッドに押し倒されて完全に息の上がっちゃってるヤツにすげー勢いで服むしり取られて、でも剥かれたらやっぱり俺もオトコなわけでこんなイカれたことやってたらそりゃいろんな意味で興奮しちゃうのは当たり前でなんつうかわりとすごいことになってた。勃ってたんだよ。で、それ見たコイツが一瞬「ウッ・・・」って顔してひるんだからどうだコノヤローって コーカソイドなめんなって思ったけどこの状況からしてたぶんというか絶対俺がネコなわけだ。  

「ゴムとか・・・あんのかよ」
「・・・ない」
「ローションは」
「んなもんあるかよ!」

 逆ギレさえ果てしなく潔いところがいつものコイツのいいところだからいーじゃんいーじゃん元気出てきたじゃんよかったじゃんって俺はニヤニヤしたんだけどローションもゴムも無いけどでもどうしてもやりたいんだってやさしくするから大丈夫だってまたわけわかんない理屈こね始めたヤツの顔がまた泣きそうになってるもんだからあーもうそんなシケた面すんなよ頼むから つうかこういうのってなんつーんだっけ?泣き落とし?思いだせねぇよんっとにさっきからわかんないことだらけだなぁ今日はなんだあれか厄日か?って思ってたら、激痛だ。

「痛ってーなオマ・・・!にすんだよ!!」
「入れる」
「すざけんな!無理だって!」
「すぐよくなるから大丈夫なんだよ!」
 
 その自信はどっからくるのか教えてくれよ手順ってもんがあんだろ?!
 女とヤるのとは勝手が違うだろうがやさしくするつったらやさしくしやがれコノヤロー俺はデリケートなんだよ!




 って、


 でもさ、



 よく考えたらそういうめんどくせーことをひと足飛びで飛び越えてくるコイツはいつもいつの間にかひとの懐に入り込んで笑ってて まぁ今のこの場合は俺の股ぐらでイッちゃいそうな顔してるわけだけど、そんなコイツをいつも最後にはこれまたなんていうのかよくわかんねぇけど俺とは違うなって思うわけ。やさしくするからって呪文みたいに繰り返してるからおーそうだなオマエはやさしいよなって思わずまた頭撫でちゃったけどそれももう嫌がらなくてほっさんは髪キレイだって云われて気持ち悪ぃことぬかしてんじゃねーよって半分笑ったけど半分は泣きそうになって口とかほっぺたとかデコとか耳とか体中いろんなとこにヘタクソなキスされてでもそれでもそっかやさしくしてくれるんならまぁいいかって 

 相手間違ってんじゃねーのって思ったけど、
 俺オトコだけど、

 流されてるけど、

 まぁ仕方ねーなって、


 思ったんだよ。























 おばさんに、呼ばれるまでは。




















「亮ぉー、穂高くーん、スイカ切ったから降りてらっしゃーーいvv」
「「!!!!!!!!!!」」
「・・・・・・、・・・ちょっと、亮ぉぉーー!聞こえてるの?!聞こえてるなら返事ぐらいしたらどうなのー!!」
「うっせーー聞こえてんよ今行くから待っとけ!!!」
「んもーまたそんなひどい云い方してぇ・・・。穂高くんもね、冷たいうちが美味しいから早く降りてらっしゃいねー」
「ぃーーーーっす今行きまーすあざぁーっす!」





 で、どうすんだって話だ。
 まぁスイカって聞いたら俄然萎えちまった俺はいいとしてなんでそんな馬乗りになって自分でしごいてんだよオマエはよーーおばさんがスイカだっつってんだろが!


 「あーもう、ごめんほっさん、出る・・・っ」













 スイカはすげー冷たくて、でっかくて甘くてうまかった。
 けど洗面所借りて洗ったところで拭いきれないアレの匂いが髪と顔にべったりだったし亮ちんは亮ちんで左顔面から流血してるしおばさんはふたりともどうしたのってオロオロしちゃうしで俺は実はもう一個ぐらいスイカ食ってもいいかなって思ったけどなんとなくそうもいかなかった。

「トマトとシソと牛乳と卵、それから明日の朝のパン。お金が残ってたらベーコン買って、それでも残ってたらアイス買っていいから」

 お釣りとレシートもらうのよ?あとちゃんと穂高くんと仲直りするのよ?いい?わかった!?とかなんとかでっかい声で言ってるから玄関にいる俺に丸聞こえなんすけどーって思いつつもこういうふうに育てられたからアイツはああなんだろうなって 俺と違うんだろうなって思う。いい意味で。
 外はまだ明るくてセミも鳴いてて夏は日が長いからいいよ。たくさん遊べる。
 
「でもその顔じゃあなぁ?」
「うるせー」
「あ?オマエ云っとくけど俺は悪かないぜ?突然顔にブッかけられて黙ってられっかっつうの」
「・・・それは、オレが悪かったよ・・・」
「んっとにエロDVDの見過ぎ」
「でもめっちゃ興奮したぜオレ」
「・・・反省しろよ」
「へへ」
「・・・俺が殴ったって思われてんだろーなぁおばさんに」
「・・・」
「イったあとにヨロヨロしてグッチャになった布団に足とられてベッドから落ちたらそこにプレステの角があっただけなのにな?」
「うるせー!云うな!!つうかオレかっこ悪ィーー」
「まぁな、そこは否定しねーよ。つうか手ェ怪我しなくてよかったじゃんよ。1600のリレー出んだろ?今度」
「ん?あー、うん。知ってたんだほっさん」
「練習してんの見えるからよー」
「プールの金網越しにオレに見惚れちゃってんの?」
「バーカ」


 駅前のスーパーんとこまで来て俺のアイスハーゲンダッツねナッツが入ってるやつって云ったらおー明日ビニールに入れて学校に持ってってやんぜガリガリ君をな!とか返してきたからふざけんなそんな安物はお口に合わねーんだよっつうかビニール無ェわ溶けちまうだろーが!とか云いながら気づいたらまたいつもみたいにヤツはゲラゲラ笑っててなんか拍子抜け。
 で、俺は俺で頭ン中意味不明な単語ばっかちらちら浮かんで

 人肌恋しい とか
 ほだされる とか
 うらやましい とか

 チクショーさっき俺も出しときゃよかったぜってモヤモヤすんぜって思ってたらじゃあまた明日なって云われておうって云いながら手ェ振って亮ちんと別れた。たいして金も持ってなかったからこのまま遊びにも行けねーし っつうかその前に風呂入りてぇーーとかそんなこと考えてたらそのうち腹が鳴りだしてやっぱりもう一個スイカ食っときゃよかったって思いながら帰った。
 ビートルズのプリーズプリーズミー聴きながら、帰った。










2009/07/24


(よくわかんないけど、まぁもうなんでもいいや)














ブラウザでお戻りください