(wanna something to eat)











オレは本当に腹が減っていた。
昨夜遅くから任務に出て何も喰っていない。いや、途中兵糧丸はかじった。でも今、胃袋は空だ。長い夜の途中に腹の虫が鳴くなんてのはあまりにダサい。 サクラ、とにかくメシ喰おう。他のことはそれからだ。


私は本当はおなかが減っていた。
緊張で胃に穴が開きそうだった。でもひとたびてっぺんに上り詰めてみれば、そのあとの解放感と脱力はひどいもので、今日はもうあの部屋からは出られないと思っていたのに、いま一度こうして外を歩いて気がついた。 カカシセンセー、もう私、おなか減って倒れそう。
 




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麦酒ね、あとなんか豆ね。今日の先付けは何があんですか? 煮凝り・・・ ん?あ、サクラそれ食べるの? じゃあそれで。ああ鱧の子の。いいね、旨そう。 お前飲みもの、お茶ね。 じゃすみんてぃー?・・・ずいぶん変わったもん飲むのね。 魚は・・・さかな、何か好きなのあるか?別に? ええっと、じゃあですねー何が好いかな、 オコゼは・・・あります? サクラ、唐揚げ好き? うん、じゃあ彼女はそれで。オレのは刺身に造って。うん。 あとは適当におまかせしますよ、いつもどおり野菜多めで。  ああ、明日葉があるの。 んふ、いいですねぇ・・・今日は特に・・・ねぇ。 え? あーうん、いやいやいやおねえさん、野暮天やっちゃあいけないでショ。 ん?うん、そう。 かわいいでしょ、このコ。  なははは。


(・・・なんか、すっごい高級そうなとこだけど大丈夫なのかしら・・・。カカシ先生っていつもこんなとこでゴハン食べてるのかしら。上忍ってお金持ちなのねぇ・・・ あーそれにしてもおなかへったー。明日葉って何?はっぱ?・・・食べられるの? あーもう、誰か早く何でもいいから食べられるもの持ってきてー)

 



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え? ああ、ま、よくって程でも無いけど来るよ。 うん、ひとりで。 さみしい?そうかなぁ ・・・ま、男ひとりだからねぇ。 でも個室静かだし好い処でしょ。 ほらそこ、次の間、襖あけたら布団敷いてあるから。  っんなっははは!嘘、うそ。うーそ。 冗談だじょーだん。 おおお、ちょ、おま、そんな怖い顔すんなって。 軽いジョークだよ。んふ。 ほら、これ野菜、焚合せ。 ん?これ? これは白だつ。ずいき。今が旬なんじゃないかねちょうど。旨そうでしょ。 ・・・つうか、ずいきってなぁ。ひごずいき、みたいなね。 なはは。 あ、いや、なんでもなぁいよ。うん・・・ 



え? なによ、ずいきがどうかしたの?  ちょ、・・・なに? べ、別にじっと見てなんかいないわよ。 なっ・・・ちょちょちょっと、あんまり近づかないでってば! いやぁ! だってカカシ先生、近づきすぎ! ほら、顔! 口布取ったの初めて見たから! そりゃ見ちゃうわよーもー。 ん? んん・・・ どうだろ、普通。 やあっだセンセーそんなガッカリすることないじゃない。 なんかひっどいから隠してるのかと思ってたもん、私たち。 うん、予想よりははるかにイケてるわよ。 あはは、フォローになって無いかーウフフ、ごめぇん。

 



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『今日はお連れ様おいでですから、水菓子、お持ちしました。』



あーそうね、サクラ、まだ食べられる? はは、別腹ね。  うん、じゃあおねがいします。 え? ああ・・・いつもは酒呑んでる時もあるし、くだもの出されてもあんまりねぇ。 ふうん、そんなのが出てくるんだ・・・いや、きれいに作ってあるもんだねぇ。 女の子の食べものって感じで好いじゃない。食べな。 え? いやいやいや、俺はいい。いらない。ノーサンキュー。 それにほら、ね、オレの今日のデザートは、 サ ク ラ だ か ら 。 それは今はいらないの   って









っ痛゛ェ!







(続)        














2007/07/21

(あしたばもずいきもしらないひとはおとうさんにきいてみよう)


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