さすがというか、なんというか。
根性あるね、おねーさん。
でも、ま、せっかくやるんだし?
そっちがその気なら、オレももうちょっと本気出さないとな。
そんな余裕でいられるのも、今のうち、だ。
今まで意図して避けていたところに、嬉々として這わす右手。
誰にもしだかれたことのないであろうまろやかに尖る乳房は、柔らかいのに何ともいえない解れなさを保っていて、初物を頂戴するありがたさに思わず心の中で合掌したオレは、もうすでに大人過ぎる大人だ。
性感を与えようとする意図を見せつけ、わざとらしい手つきで触ってみせると急に焦ったように身をよじるから余計に可笑しい。
ねじれてもよじれても、もう逃げらんないのにネ。
薄く色付く先端を指の腹で擦るように撫でて、尖ってきたところをやさしく弾いて転がす。
あまり弄り過ぎると痛むかと思いつつ手触りがあまりに可愛らしくて、でも、苦痛を与えるのは不本意なんだよ。
べっとりと湿らせた舌で触り過ぎたところをていねいに舐め上げ、口に含んだ。
衣擦れの音だけだった部屋に、鼻にかかったような甘い息。
まぁ・・・ 反応が緩慢なのは初体験だからこの際目をつぶろう。
それにしてもなぁ。
おんなのこ ってのは、こんなにもかわいらしいもんだったか・・・
五代目にああは云ったものの、じつは年若い女を抱くのは久しぶりだった。
自分が普段に行う処理は特に相手を選ばないから、手っ取り早く花街で、粋事を知り尽くしたお姐さんを相手にしたり、むさくるしいけどたまらなく相性の好い同僚と抱いたり抱かれたり。
所詮生理現象、自分ですることもあるには、ある。
かわいくて若い女の子を抱きたいとか、最近・・・ 否、昔も、あんまり考えたことなかったような・・・
変なところで変なことに気づいて、なぜか、凹んだ。
せ、せっかくだから、がんばろう・・・オレ
気を取り直し、すらりと伸びて緩み始めた両足のあいだに膝で滑り入る。
口には出さずに教えるのは、代わりに腿の内側をぺったりと撫でて。
『脚、閉じないでね』
制するようにオレを見たけど、その目もうるうるしちゃって説得力がまるで無いな。
割り入れた膝を押し付けて遠慮なく刺激してやる・・・ん、だけど
あ。
あー・・・穿いてるんだ。
これから抱かれるってときに、羽織りものの下なんて必要ないのに。
幼い恥じらいに辛抱堪らなくなって、咽喉の奥でくっくと笑いを噛んだ。
ひどく訝しげに不思議そうな顔の、サクラ。
その目を淫らにうるかしたのは他でもない、オレ。
布越しの温かく湿った感じがいやらしかった。
控えめに作られた胸のわりにはむっちりとした腰が、堪えられないといった様子に
揺らめきはじめて、思わず薄く笑む。
好くなって来た・・・かな。
舌なめずりをするような気持ちでいるが、間違っても今これは情欲でも無ければ、征服欲でもないんだ。
ただ与えられた任務をこなしていくときと同じ、小さい安堵の積み重ね。
巧くやっている自分への満足感。
首筋を舌で辿って、先程より濃い桜色に染まった粒を指で捏ねくれば、かわいい好い声が漏れ始めるのに、奥歯を噛んでこらえているから少し興ざめだ。
もう少し、してもいいか・・・ 刺激的に。
伸ばした手で潤みを探りながら下着越しに指を這わせると、ひくりと喉がのけぞった。
薄く小さな布切れの隙間から、大人と同じように濡れているのを指先に確かめてすこしほっとする。
柔らかな下萌えを指に絡め、好い場所を探り出し丁寧にねぶりつける。
静かな部屋に、控えめに漏れる息と声と。
閉じるひまの無くなったくちびるを、少しだけ、よろこんで。
まさかとはおもったけど、ま、ヨカッタ・・・
ね、お前が協力的だからもっと好くしてあげられそうだ。
せっかくだから、可愛い声も聞かせなさいヨ。
「他所事ばっかり、だめでしょ。 集中して。 今はオレのことだけにしてよ…」
ちょっとセンセイぶった言葉をかけたのは、策。
謝罪を云わせて口を開けさせたかった。
「あ・・・ン、ご、め・・・なさ、ァ」
そして途切れる甘い声にオンナの艶色を聞いて、予想は間違っていなかったとまたニヤリ。
ほーらね、結構、すぐだったデショ。