(just simple)











セックスの最後は荒く、それでいてさぞ虚しいものだった。

降って来る呼吸はひどく生々しい。

その下にいて私はただ過ぎるのを待つだけで、最後の長い瞬間には申し訳ないような気持ちになったけれど。

最後に「サクラ」って云った、搾り出すような呻き声。

何の虚飾も無い、むき出しの快楽に身をゆだねた瞬間のカカシ先生の貌は、ぞっとするほどに大人で、明らかにオトコだった。

そしてその貌を目に刻んだわたしは、小さくも浅ましいオンナの満足を。



ああ、終わったんだ。



体の至るところがおかしなことになっている。

熱を湛えてじんじんと痺れる心地好い痛み。

ねえ、せんせい、私、大丈夫なの?







結局オレは思うままに果たしてしまった。

わざとじゃないけど泣かせてしまったし、痛そうにしてたし、そうしようとも思わなかったけど、イかせてやれなかった。

それにしても、・・・キモチヨカッタ。

若干落ち込むけど、ま、一応の目的は果たしたしネ。

サクラ、ごめぇんネ? 体、大丈夫?





――――――





気づいてなかったけど、きちんとゴムつけてくれてた。

やっぱりカカシ先生は先生で、本当に大人なんだと妙に・・・これは、うん、感心した。


でも先生、そんなこと笑いながら云わないでよ! そんなもの、見せないで!!ばか!


ねえ、カカシせんせ、これのどこが房術の修行なの?







あー、まあね。

サクラはこれから気をつけなさいよ。

ろくでもない男ってのがけっこういるんだコレが。

でもゴムってホラ、つけないよりつけるほうがやらしいと思わない?

生殖じゃなくて快楽のためにやったなー みたいな。 なはは。

ホラ、うわぁすごいたくさん出た。



え?修行?

修行は次からやるんでしょうが。

今日のはぜんぜん修行じゃないというか・・・ま、ただのセックスというか。

えー・・・ご、五代目に聞いてないの?

ちゃんと伝えておくって云ってたんだけどなぁ・・・。

ホラ、お、お前処女だったから。破瓜の・・・処理って云ったら言葉悪いケド? それを任されたんだよねオレはね。

ほら、閨房術の修行は次から、暗部から来る奴とやるの。
え?それも聞いてないの?ほんとに? あ、で、でももちろん最初はオレも一緒に行ってあげるよ?、ほら。サクラにひどいことする奴だと困るから! や、イヤぁ参ったな・・・どうすりゃ好いのよ五代目・・・
え? や、そんなぁ・・・オレとヤる必要なかったなんて・・・先生、ショック・・・ ああ、あ、だってちょっとちょっとほら、初体験の相手が知らない奴だったら困るでしょうが。 だってイビキとか!アスマみたいなのとか!あんなの来たらどうすんの?怖いでしょーよあんなの! いやぁ軽くトラウマものだねアレは。 ほら、ほらぁ、オレで好かったでショ。ね。 
オレもこんな形ではあったけどさ、サクラのこと抱けてよかったなって思ってるのよ…? 

ね、サクラ、
してるときかわいかったよ・・・ 

こっち向いて。・・・キスしていい? ダメ? 

んー、じゃキスはいいからさ、・・・もう一回、しようか・・・ ああもう、イヤだなんて云わないでヨ・・・今度はちゃんと・・・

え・・・ キスしてくれるの? サクラが? うれしいナァ 



…って って











ァい、痛゛でで…



(痛いから!!噛まないで!ごめんなさい!痕が残るから!サクラ!!)






(一応、了)        














2007/08/01

(おわってはじめてわかること)


→next (は、イノとサクラと、ほんのりカカサク)





works index